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  • 2023年11月24日
  • 聴覚

第19回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムを開催しました

左は石原学長の開会挨拶の様子、右は全大会企画の様子

本学に事務局を置く、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)では、「第19回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム」を2023年11月5日 日曜日に開催しました。本年の全体テーマは「一人ひとりの聴覚障害学生の"ニーズ"を支える」として、さまざまな企画を実施し、会場には174名の方々にご来場いただきました。

午前中は全体テーマ「一人ひとりの聴覚障害学生の"ニーズ"を支える」をメインテーマとした全体会企画として、ファシリテーターに松﨑丈氏(宮城教育大学)、コメンテーターに楠敬太氏(大阪大学)、岡田孝和氏(明治学院大学)を迎えて実施しました。本学大学院情報アクセシビリティ専攻在学中の大川公佳氏より、大阪大学で過ごした学部4年間から本学に進学するまでに経験したニーズ表明の難しさやニーズの変化についての話題提供を受け、その一つひとつのエピソードを丁寧に紐解きながら、ニーズを捉える視点を改めて整理することができました。講師陣のディスカッションの中では、ニーズに応えるために大学に求められることや、明日からすぐに取り組めることについても触れられ、参加者の方からは、さまざまな気づきを得ることができたと好評の感想を多くいただきました。

午後の企画では、セミナー「みんなで積極的に考えよう!聴覚障害学生のキャリア」(共催:「聴覚障害者のためのキャリアサポートセンターの設置」事業)のほかに、聴覚障害学生支援に関する実践発表、情報交換スペースを設けて、参加者同士が積極的に交流できるような仕掛けも設けました。

閉会行事では、事前に作品の募集・投票が行われていた「聴覚障害学生支援に関する川柳コンテスト」について、文部科学省学生支援課長 吉田光成様、及び、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク代表及び本学学長の石原保志より、結果の発表が行われました。吉田様には、講評として学生、支援関係者にあたたかなコメントと励ましのお言葉をいただきました。

最後に、運営委員長である関西学院大学松岡克尚先生より、ギリシア神話「プロクルステスの寝台」を例に、合理的配慮が画一化してしまうことへの懸念と個々のニーズを支える重要性についておまとめいただきました。

ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

なお、本シンポジウムは、収録映像の後日配信も予定しております。予定が整い次第、PEPNet-Japanウェブサイトにてご案内いたします。

(障害者高等教育研究支援センター 萩原 彩子/2023年11月24日)