トピックス
- 2023年12月28日
- 視覚
令和5年度「読書バリアフリーコンソーシアム」を受託しました
「読書バリアフリー」をご存じですか?
読書は、教養や娯楽を得る手段のみならず、教育や就労を支える重要な活動であり、障害の有無にかかわらず全ての国民が読書することのできる環境を整備していくことが必要です。しかし、現実には、視覚障害者等が利用可能な書籍等はいまだ少なく、図書館におけるサポートも十分ではありません。こうした背景を踏まえ、第198回国会において「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)が成立し、令和元年6月28日に施行されました。本法律に基づき、文部科学省では、障害の有無に関わらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に向けて、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進しています。
参考:文部科学省ホームページ 視覚障害者等の読書環境の整備(読書バリアフリー)について
「読書バリアフリーコンソーシアム」とは
地方公共団体において読書バリアフリー基本計画による取組がより具体的に進展するよう、組織の枠を超えた取組や関係者間で連携した取組が行えるような体制の構築を図る必要があるとされています。このため、地域において、公立図書館、学校図書館、大学図書館、点字図書館等の様々な館種の図書館や関係行政組織・団体等が連携した読書バリアフリーコンソーシアムを設置し、物的・人的資源の共有をはじめとした様々な読書バリアフリー推進のための取組を行います。(令和5年度「読書バリアフリーコンソーシアム」公募要領を基に作成)
筑波技術大学読書バリアフリーコンソーシアム テクノロジーハブ
本学は、文部科学省令和5年度「読書バリアフリーコンソーシアム事業」へ応募し、令和5年11月28日、受託するに至りました。本学が取り組む読書バリアフリーコンソーシアムを、「テクノロジーハブ」と呼びます。
テクノロジーハブでは、様々な読書バリアフリー施策がある中で、必ずしも手厚いとは言えない障害者の情報リテラシーの習得支援に関する情報集約を行い、デジタルデバイド解消及びその先にある読書バリアフリーの達成へ向けた活動を行います。そして、ICTあるいはテクノロジーが障害者の道具となるために必要な、個別のニーズ、メディア及びテクノロジーに関する、アセスメント、フィッティング及び利用支援のハブ、つまり情報拠点となることを目指しています。
今年度は、国立国会図書館の視覚障害者等用データサービスに登録している図書館を対象としたアンケート調査を実施し、読書バリアフリー法成立以後登場したリソースの活用状況、障害者の読書に際し活用し得るテクノロジーに関する情報入手や研修の機会について調査します。また、全国の図書館や障害者ICTサポートセンターを対象とする、「障害者の読書とテクノロジーに関するシンポジウム」を2月24日 土曜日に開催する予定です。これらの取組における議論を通し、今後のコンソーシアムの取組内容や活動の在り方を検討し、具体化します。取組の成果は、協力者に対し報告書を配布するほか、本学のホームページに掲載する予定です。
(筑波技術大学読書バリアフリーコンソーシアム テクノロジーハブ担当 宮城 愛美・青木 千帆子/2023年12月28日)