国立大学法人筑波技術大学 筑波技術大学は視覚障害者・聴覚障害者のための大学です。

トピックス

  • 2024年6月21日
  • 臨床教育・医療

オンラインを活用して、遠方の視覚障害者に鍼の技術を伝える

オンライン実技実習の様子です。

2024年6月17日 月曜日、東西医学統合医療センターでは、福岡高等視覚特別支援学校専攻科研修科の学生4名を対象にオンライン実技実習を行いました。

実技の課題は「坐骨神経への低周波鍼通電療法」です。この療法は、坐骨神経痛に代表される臀部から下肢にかけての痛み等の症状を訴える患者さんに用いられています。オンラインでは、音声と映像によってコミュニケーションを成立させますが、視覚情報が得られない視覚障害者を対象とした場合、様々な工夫が必要です。教授者は、解剖学の用語を用いながら、口頭でわかりやすく実技を教えます。また、学生の実技の様子は、モニターを介して確認し、鍼の刺入角度や刺入時の微妙な感覚、留意点などを口頭で伝えます。技術や感覚を、学生に伝わるように言語化する技術が必要ですが今回は全員が成功することができました。実技実習にオンラインを活用することができれば、世界へ向けて日本の技術を伝えることができるようになります。オンラインでできること、できないことを明らかにするために、今後も実践によるノウハウを集積していきたいと思います。

写真は、オンライン実習の様子です。

(東西医学統合医療センター 櫻庭 陽/2024年6月21日)