トピックス
- 2024年11月25日
- 学生・卒業生の活躍・活動
日本橋オフィス環境のユニバーサルデザイン検証ツアー実施
2024年2月と3月に、日本橋室町エリアマネジメントさんより依頼を受け、日本橋にて、オフィス環境のユニバーサルデザインを検証するツアーを実施しました。
- 障害者ガイドとワーカーが1対1でペアを組み、一緒にオフィス環境を巡る この検証ツアーでは、障害者ガイドとワーカーがペアになって、オフィスやオフィスまでの通勤経路を一緒に巡ることを特徴としています。産業技術学部の建築系コースからは聴覚障害学生が、また保健科学部からは視覚障害学生が、そしてつくば自立生活センターほにゃらさんから車いす使用者の方が、ガイドとして協力してくれました。
- ガイドの困難をワーカーが理解・追体験し、共感・想像できるようになる 前半はペアでオフィスや通勤経路を巡り、後半はペアと一緒に問題点の指摘や改善案についてまとめ、最後にグループでディスカッションという流れをとりました。およそ2.5時間、ペアと一緒に過ごすことを通じて、聴覚障害、視覚障害、肢体不自由のあるガイドの困難を理解・追体験しようというものです。一緒に過ごすことで、「聴覚障害の人は...」ではなく、「あの時、⚪︎⚪︎さんは...と言ってたな。ということは、⚪︎⚪︎さんはこれも困るだろうな...」とその方の困難を、ツアー後も想像できるようになる、それが持続的なオフィス環境の改善に繋がることを目指したものです。
- 学生にとっては職場環境のイメージ・他の障害理解に繋がる 今回のツアーでは、1年生から大学院生まで延べ15名の学生がガイドとして協力してくれました。実際のオフィスのツアーとワーカーとの対話を通して、自らの将来の働き方や職場でのコミュニケーション方法、また自らは環境改善に向けてどのような働きかけができるのかを、イメージすることができたようです。また、一緒に参加した他の障害者の困り事についても理解、関心を持つ機会にもなったようです。
- ちょっとした工夫で改善できることが多いことも共有 ツアーの1ヶ月後には、ツアー中にガイドから指摘のあった"優れた点・改善が必要な点"について報告会を実施しました。ここでは一例として、具体的な方法も例示させていただきましたが、多くは、建築物そのものを触ることなく、機器や什器の設置交換や、社内体制・意識啓発によって、改善可能なものであることもわかりました。
- 障害者も働きやすいオフィス環境について継続的に検討 障害者の法定雇用率上昇も後ろ盾となり、本学卒業生が活躍する場も増えています。Diversity & Inclusionの深化を目指す上でも、今後ますます、障害者も働きやすいオフィス環境は求められるでしょう。引き続き、障害者も働きやすいオフィス環境について、学生と共に検討を進めます。
本事業の詳細が、三井不動産HP、本学建築系HPにもアップされています。よかったらご覧ください。
写真は4枚で、左上が車椅子ユーザーとフリードリンクスペースを検証している様子、右上がツアー後のグループワークの様子です。続いて、左下が視覚障害者と専有部トイレを検証している様子、右下が 車椅子ユーザーや聴覚障害者と共用部トイレを検証している様子です。
(産業技術学部 梅本 舞子/2024年11月25日)