国立大学法人筑波技術大学 筑波技術大学は視覚障害者・聴覚障害者のための大学です。

トピックス

  • 2025年2月10日
  • イベント

「聴覚障害のある社会人のための情報交換会」を開催しました

オンライン画面のスクリーンショット。終了時の記念写真です。

2025年1月10日 金曜日、「聴覚障害者のためのキャリアサポートセンター」主催で、今年度第5回目の「聴覚障害のある社会人のための情報交換会」をオンラインで開催しました。

当日は聴覚障害のある社会人8名、聴者2名と本学の教職員6名の計16名が参加しました。

今回は「職場で感じた困難共有 ~モヤモヤ、溜まっていませんか?~」をメインテーマに、情報交換を実施しました。

「会議で発言者の識別がつかない・議題や会議内容が聞き取れない」という困難から、補聴援助システムや音声認識アプリ等を用いても正確に情報を掴むことが難しいという声や、聴者の社員も文字変換を確認し、発言が伝わっているか意識する必要性が話題にあがりました。また、雑談やランチタイムの歓談で、発言するタイミングや会話の輪に入る難しさについて共感がありました。
集団での会話が聞き取れない時、周囲に配慮を希望する声や、こちらからそのような配慮を期待してよいのか、といった葛藤も話されました。その他、会社独自の用語を音情報から掴む難しさや、業務に関する情報を得る工夫、理系・技術職・現場で聴覚障害者が働く課題や工夫などが話されました。

参加者の皆さんからいただいた感想を一部ご紹介します。

  • 今回は難聴者が多くて、自分に近い状況をお持ちの方がいて非常に話しやすかったです。一方で、手話を日常的に使う方の困り事も聞いてみたかったです。今後も、定期的に参加するのが良いと思いました。
  • 何気ない雑談ができる関係を作り上げるまで、すぐできる人と時間がかかる場合と環境や性格にもよりますが、自分から発信していくことが大切だなと改めて思いました。コロナ禍で人との関わりが少なかったからこそ今から積極的に関わっていきたいなと思います。
  • 皆さまの話が聞けてとても参考になりました。雑談等に入りにくい問題について、大事なテーマだと思います。
  • 何気無い会話や雑談に入るのが難しく、聞こえない人の状態を想像して気づいてほしいという声がありましたので、そうした配慮や工夫を少しずつ積み重ねてゆきたいと思いました。

※画像は、終了時に撮影した記念写真です。一部ぼかし処理をしています。

(産業技術学部 河野純大、田中陽土、能美由希子、松谷朋美/2025年2月10日)