国立大学法人筑波技術大学 筑波技術大学は視覚障害者・聴覚障害者のための大学です。

トピックス

  • 2025年3月 6日
  • イベント

総合デザイン学科卒業制作優秀作品他をつくば美術館で展示中!

美術館に展示されている作品たち

特別企画の展示作品

現在、つくば美術館で開催中の「第24回チャレンジアートフェスティバル in つくば」において、総合デザイン学科特別研究の優秀作品をはじめ、学生の作品を出展しています。これらの作品には、社会的意義のあるテーマを扱ったものや、自身の障害と向き合ったものが多く含まれています。聴覚障害への理解を深める作品や、共生社会の実現に向けた新たな提案など、本学の特色が表れた研究・作品が展示されています。

■会場:茨城県つくば美術館(つくば市吾妻2-8)
■日時:2025年3月4日(火)~3月9日(日)9:30~17:00 ※最終日15:00まで

最優秀賞を受賞した深澤美彩子さんの研究『聴覚障害に係る高等教育に関係する活用を目的とした、3DCGによる手話学習システムに関する研究と制作』は、本学の新入生や新任教員にとって役立つ手話学習システムの構築を目的としています。単語選定の調査をはじめ、アバター制作、モーション作成、UI設計、プログラミングなど、多岐にわたる取り組みがなされた研究成果です。

同じく最優秀賞を受賞した石井菜野葉さんの研究『聞こえない・聞こえにくい当事者の障害受容に関する研究』では、当事者が「障害受容」についてどのように考え、どのような経験をしているのかを調査しました。その結果をもとに、当事者やその親、周囲の人々を対象とし、障害受容に関する共感・理解・配慮の一助となる190ページの冊子を制作しました。

優秀賞を受賞した田中快治さんの研究『手話や身振りによるコミュニケーションを体験できるアナログゲーム制作』は、楽しみながら手話や身振りによるコミュニケーションを体験できるカードゲームです。プレイヤーはカードを組み合わせて演技することで、自然と手話や身振りの世界に触れることができるよう設計されており、聴覚障害者と健聴者の相互理解を深めることを目的としています。

杉野瑠郁さんの研究『聴覚障害者とコスメ店の美容部員を支援するコミュニケーションツールの制作研究』では、カウンセリング時の課題を明らかにし、イラストや写真を活用した視覚情報を取り入れました。商品の効果や成分を分かりやすく伝えるチャートや、簡単かつ迅速にコミュニケーションをとれる機能を搭載した支援ツールをWEB形式で制作しました。

高橋悠宇さんの研究『聴覚障害者の悩みに向き合い共感できる書籍の制作 - ヒーローズジャーニーに基づく伝わりやすいストーリー構成の研究 -』では、「ヒーローズジャーニー」のシナリオ構成を取り入れることで、健聴者に聴覚障害者の悩みを伝え、共感を生む書籍を制作しました。

内藤愛兼さんの研究『聴覚障害者の多様性の理解を深めるカードゲームの研究と制作』は、聴覚障害者の多様性に対する理解を広めることを目的としています。ゲームのルールとグラフィックデザインの両面から工夫し、自然なコミュニケーションを促しながら、楽しみながら学べるカード・ボードゲームを制作しました。

野村圭吾さんの研究『若者に向けた古典SFの表紙リデザイン』では、若者の読書離れが進む現状を踏まえ、SF小説の表紙デザインに着目しました。現代の若者が「読みたい」「気になる」「引き込まれる」と感じる魅力的なデザインを目指し、効果的な視覚要素を分析し、そのデザイン傾向に基づき、リデザインを行い、48作品の表紙デザインを制作しました。

また、1・2年生の授業課題作品に加え、本作品展とは別に、2つの地域イベントに協力した2年生の坂本拓登さんと麻生直秀さんによる特別企画「人はみんなアーティスト 〜オリジナルの顔をつくろう〜」も展示しています。 学生たちの学びの集大成と、地域に向けた取り組みの成果をぜひご高覧いただければ幸いです。

(総合デザイン学科 伊藤 三千代/2025年3月6日)