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- 2025年9月25日
- 社会との共創
筑波技術大学×電通・電通総研×VISONによるインクルーシブ/デフスペースデザイン実践ワークショップを実施



2025年7月18日 金曜日に、三重県にある商業リゾート施設「VISON」にて、本学の産業技術学部の学生と教員が、聴覚障害当事者と関わることや、非常時の避難行動をテーマにワークショップを行いました。このワークショップは、本学と国内電通グループ3社によるインクルーシブデザイン共同プロジェクトの一環として、ホテルヴィソンと住友林業株式会社とともに実施されたものです。
当日は、Stage1として、まず参加したホテル関係者に向けて、本学学生が聴覚障害の理解について講演と、筆談や手話、音声認識アプリ等を用いたコミュニケーション体験を行いました。
その後、Stage2では、学生と参加者がグループとなり、館内でデフスペースデザインを探すワークショップを行いました。
デフスペースデザインとは、聴覚に依存せず、視覚や振動で情報を受け取れる建築空間のデザインのことです。例えば、筆談コミュニケーションが円滑になる低めの受付カウンターや、手話を中断せずに入退室できる自動ドアなど、聴者に向けて検討されたデザインの中にも、デフスペースデザインの特徴があることが分かりました。ろう者にとって快適な空間デザインを知るとともに、それが聴者にとっても快適であることを確認し、デフスペースデザインの意義や社会的価値を議論することが出来ました。
最後に、Stage3では、ホテル内で非常時のロールプレイを行い、課題抽出と改善案の提案を行いました。
実際の客室から避難する際の検証を行い、客室では扉のノック音や声掛けが伝わないことや、避難先の位置や経路が分かりにくいなどの意見が挙げられ、その後、ハード・ソフトの両面から、現場で実装しやすい方策が検討されました。
参加したホテル関係者の方からは、従来の避難訓練が健常者想定に偏っていたという反省とともに、当事者と共に検証することで細やかな課題が可視化されたとのコメントが寄せられました。
今後も本学は、障害当事者の視点を起点とした検証を継続し、産学連携によるインクルーシブデザインの社会実装を推進していきます。
写真は、全部で4枚あります。左から1枚目が聴覚障害についての講義の様子、2枚目がペアによるコミュニケーション体験の様子、3枚目がデフスペースデザインワークショップの様子、4枚目が避難時の課題抽出の様子です。
本件に関するホテルヴィソンのHP記事は、以下のリンクをご覧ください。
インクルーシブ/デフスペースデザイン【聴覚障害の当事者と考える】ワークショップレポート
国内電通グループ3社によるインクルーシブデザイン共同プロジェクトについては、以下のリンクをご覧ください。
国内電通グループ3社と共同研究プロジェクト開始
(2025年9月25日/産業技術学部 北橋主税)